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CROW―二つの魂―

第2章 恋人

「それでは今日は、ずっと一緒にいられるのです か?」

いつの間にか機嫌を直した雪は、笑顔で玖郎に聞 いた。

「いや……夜はまた仕事が入っているから、

いられるのは夕方までだな……」

『仕事』という言葉を聞いて、

だった雪の顔が曇らせ俯いてしまう。

「『仕事』とはまた……人と斬り合うのですか……?」

小さな声で、玖郎に問いかける。

「雪、お前が刀で人を殺すことに嫌悪感を抱いているのはわかっている。だがこれもこの街を守る ためなんだ……。わかってくれ……」

鍛冶師の雪は、刀を人殺しの道具に使うことを極 端に嫌う。

それは刀を愛してるが故の想いだった。

玖郎が雪に出会ったのも、刀の修理を依頼し、そのボロボロな刀を見て思わず玖郎を 殴ったことからだった。
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