カイダン
第1章 オニンギョウ
ワタシの大切なお人形。子供の時から大切にしてるお人形。そんなお人形がある日話をしてくれるようになったよ。お人形はこう言ったよ。「イジメられてるんでしょ?イジメてる子をお仕置きしてあげるよ。」って。ワタシはお願いって言ったよ。次の日の朝、お人形がワタシをイジメてる子の首を持ってきたよ。たくさんの血が出てるよ。部屋が真っ赤になったよ。鉄臭いよ。お人形さんはまだ二人いるから行ってくるねって言ってどこかに行ったよ。夜、またお人形がこんどは身体を持ってきたよ。あと一人、といってお人形さんはもう一人の子の両手を持ってきたよ。ワタシはありがとう、ってお礼をいったよ。だけどお人形さんは急に怖い顔になって、「まだイジメてる子はいるよ。・・ワタシをイジメてる子。」するとお人形さんはワタシを見て、「オマエ」と言った。ワタシはイジメられてる怒りをお人形に八つ当たりしてたんだ。だからこのお人形さんは偽物。本物は手も足も頭も身体もないグチャグチャの人形。だからワタシをイジメてた子を殺して、部位を手に入れてたんだ。ワタシは逃げた。だけど何かに当たってこけたよ。それは、人形のように動かないイジメてた子達。「ア、ァァ。」「イタい」「タスけて」三人の口から悲痛な声が聞こえる。ワタシは悲鳴をあげた。「あと足りないのは心臓と、両足」。後ろで人形の声がする。
翌朝、女性の部屋で大量殺戮があった、というニュースがあった。そこには血まみれのフランス人形が死体を見て不気味に微笑んでいたという。
翌朝、女性の部屋で大量殺戮があった、というニュースがあった。そこには血まみれのフランス人形が死体を見て不気味に微笑んでいたという。