テキストサイズ

カイダン

第5章 オニクビ

「ハア、ハア。」私は逃げた。この気味の悪い物を持って。後ろを振り向く、すると裕也が全速力で走ってくる。
その姿はまさしく鬼だった。
「しおり、いいからそれを渡せ!」
私は無我夢中で走った。すると狭い空き地に来てしまっていた。
逃げ場は、ない。
「もう鬼ごっこは終わりだ。詩織今なら何もしない。ソイツをよこせ?」裕也は包丁を持っていた。
私は首を振り後ずさった。後ろは壁、前には徐々に近づいてくる裕也。私は、願った。この男を、この世から消す事を・・。
「裕也、あなたは消えるの!あなたはもう終わりよ!」
しかし裕也は消えない。裕也は持っていた包丁で私を何度も刺した。何度も何度も。そして意識を失った。
俺はオニクビを持ち、家に帰った。詩織を殺してしまった。その事実が自分を苦しめた。
次の日目が覚めるとあたりが真っ暗だった。何も見えない。本当に暗闇だけの世界。しばらく歩いてみるとそこには血だらけの栗原。さらに会社の奴ら。「うわあぁぁぁ!」俺は走ったがドンドン奴らは近づいてくる。
俺は気づいた。俺は消されたんだ。俺はこれから起こる事を思いながら恐怖に震え叫び続けるしかなかった。
END
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ