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～裕希～




｢…ちゃんと告らせてから
振ってくれよ…｣

自分の頬に涙が流れる

｢…まじだっせぇ｣



俺は女の子大好きで
恋とか全然知らない
ただの遊び人だった

親は俺が中２の時に離婚
父と二人で暮らしてた

離婚してから
別人になっちまった父親に
毎晩なぐられてたっけ…

大嫌いな親から
早く離れたくて仕方がなかった

夢もねえし
金もねえし

俺にはこの学校は
天国そのものだった

高１の頃
ここに入学して
ﾙｰﾑﾒｲﾄの莉乃と渓人に出会った

二人の性格は真反対
莉乃は活発でうるさい女
渓人は静かで無愛想な奴

最初のイメージなんて
こんなもんだった

適当に学校生活過ごしてくうちに
二人とも打ち解けてきた


今じゃ考えらんないかもだけど
昔の俺って内気で静かだった

莉乃と渓人が
変えてくれたんだけどね


だんだん
適当な毎日が
楽しい毎日に変わってきた

俺自信も
過去を忘れて
変わり始めてた

高２になって
新しいﾙｰﾑﾒｲﾄ来るって聞いて
正直嫌だったんだ

この３人との話とか
空間とか…すごい好きだったし


でもみなみちゃんは
俺らとタイプが違ってた

この学校を
受け入れられない子

最初はすっごく
弱くて一人じゃ生きていけなそうだなって
思ってた

でも、どんどん強くなってく
みなみちゃんにひかれてたんだろうな


気付いたら
なぜか好きになってた
自分でもどこがいいのか
分かんないんだけどね

初めての好きな子だし
絶対に俺のものにする自信だってあった


渓人のことが好きでも
奪える自信あった

でも
いざ振られるのって
あんがいきついものなんだな


だっせえけど
涙とまんねえわ