性教育学校
第32章 支え
コンコン
「みなみちゃん?」
寝ようとしていた時
裕希くんが来た
「な、なに?」
どうしよう…
うまく笑えないや
「…作り笑い」
「え?」
顔を見上げようとすると
裕希くんが抱き締めてきた
「ゆ、裕希く…っ」
「無理してるの…ちょー分かる
見てて辛いんだよ…
俺の前では弱み見せてもいいから…
また一人で溜め込むなよ」
耳元でささやかれる
裕希くんの優しい声が
あたしの胸にささる
「……無理してな…っ」
自分では
ちゃんと笑えてると思っていた
莉乃や裕希くんの前では
元気でいれてるって思っていた
でも
涙があふれでるのって
やっぱり無理してたのかなぁ…
自分では気付かなかった事なのに
裕希くんは分かってたんだね
「あたし…もう泣かないって…っ
思ってても…やっぱり駄目みたい…
なんでこんなに
あたしって駄目な弱い子なんだろ…っ」
思ってること
素直に言ってる
「…弱くねえよっ
お前はちっとも弱くねえよ!」
体をはなし
少し怒った表情の裕希くん
「大好きだった奴といきなり別れて
辛いに決まってんだよ!
なのに、さっきだって
泣きたい時も笑顔作って
頑張ってたじゃんか!
弱くなんか全くねえよ…っ」
裕希くんの強く心に響く言葉
初めてこんな言葉…っ言われたよ…っ
「お前は強い。めちゃくちゃ頑張ってる。
俺は、そうゆうお前が好きなんだよ…」
あたしの手を強く握る
裕希くんの手が
温かくて優しくて…
「らしくないよ……
そんなに怒って言うなんて…」
声が震える
涙も止まらない
「……………っ
ありがとー……っ」
くじけそうな心を
支えてくれたのは
まっすぐ思いを伝えてくれる
裕希くんの優しさだった