性教育学校
第32章 支え
「そーいえばね
荻野がみなみの事ばーっかり
最近あたしに聞いてくるんだよー!」
「あ、俺も聞かれた(笑)
みなみ最近なんかあったの?ってw」
「港が?」
「もーなんでみなみは
そんなにモテ子ちゃんなんだろ~」
莉乃は冗談っぽく言う
「違うよーっ
港は本当に友達なの」
「ふ~ん?」
莉乃の信じてない顔
あたしを馬鹿にしている
「もー!違うって!」
自然とあたしは
笑みをこぼしてる
大好きな二人がいるからだね
他愛もない話をしていると
ガチャ
っドクンッッ
玄関の扉の開く音
(………笑顔で……笑顔で…)
「おかえり渓人~♪」
最初に言ったのは莉乃
「お、…おかえりっ」
頑張って言った…
少しだけ目が合った
あたしからそらしちゃったけど
「…ただいま」
すぐに自分の部屋に戻る渓人
少しだけだったけど
言葉…かわせた…
こんなささいな事なのに
嬉しい……
でも、その反面
あいてしまったこの距離が
今のあたしたちを示してる
「も、もうこんな時間だねっ
あたし…寝るね、おやすみ♪」
莉乃と裕希くんの前では
あんなに笑顔でいれたのに
渓人が前にいるの…
もうちゃんと…笑えないや…
悲しくて泣きそうになる