性教育学校
第36章 家族
「榎本さん起きて?」
ゆっくり目を開くと
目の前には先生の顔
「ご飯食べに行きましょ♪」
まだ眠くて
食べる気分でもなかった
「…あら、制服で寝て…
早く着替えなさい?」
きっと
寝ぼけてたからだと思う
先生がお母さんに見えた
懐かしくて…嬉しくて…
気づけば
一年以上も連絡を取ってない
あたしが…ここに入学してから
ずっと。
最初、あたしを売った事に
ショックと怒りがあった
すごくすごく恨んだ…のに
今すごく逢いたい
話したいことたっくさんある
「榎本さん?」
「…っあ、起きます…」
「じゃあ、外で待ってるわね」
先生が部屋を出て
あたしは洗面所で顔を洗った
目も覚めて
少し考えてみた
「お母さん達は…
あたしの事どーでもいいよね…」
あたしが会いたくても
あたしを売った親は
きっと会いたくないだろう
「ああ~もう!」
最近悩んでばっかりで
生きるのに疲れてきていた
あたしは
幸せにならない子なのかな