禁断兄妹

レビュー一覧

  • [評価] ★★★★★

    無数の傷痕を背負い立つ獅子
    さらに刻まれた新たな傷
    癒す手は ただひとり…

    ──何も知らなくても、俺を愛してると、ずっと一緒だと、言ってくれるんだな
    ──うん。七年前と何も変わらない。ううん、あの頃よりももっと、愛してる…

    この会話が柊は禁忌の子であるとわかる前に交わされていることがとても意味深く、そうと知った時柊の痛みにシンクロし強く抱きしめる萌の手がいっそう愛に満ちたものに感じられました

    二人の愛は禁忌ではない
    けれど…
    柊と萌が手放しの幸せを感じられるのはいつか
    とはいえ、今萌は柊の膝の上
    この既視感を覚えるシーンに甘やかな時間を、とそっと祈っています

    更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★


    愛の埋み火が吹きあげる色は
    燃える朱の炎よりも
    揺らめきたつ蒼の焔か
    静かに けれど どこまでも熱く…


    以前柊が萌を求めるさまをマストの折れた船が暗い海で港を探すような…と感じたことがありました
    けれど今目の前にいる二人は穏やかで共に港に還りついたようで…
    それは愛が形を変えたのではなく求める形が変わっただけ
    マンションに着いて萌の動きに漂う緊張感は決して柊の想い出の場所にいるから、ばかりではないのでしょう

    「部屋の温度も湿度も増したような もどかしい沈黙」がいつ破られるのか、萌が求めるのか…ドキドキです

    更新ありがとうございます!
    これくらいは、とバックハグする柊が微笑ましい…
  • [評価] ★★★★★

    あの日交わした約束の地にあって
    ふたり
    想いを確かめ合うさまは
    恋の始まりに似て
    静かに 静かに
    薔薇色の時が流れる


    初めて柊と萌が結ばれる夜
    「いつか一緒に行こう‥‥?」
    「‥‥本当?」
    そう言い交わしたシーンを思い出していました

    その場所にいるふたり
    ──手放しで送り続けた愛は今
    やまびこのように
    無限の愛となって還る
    とは、なんと美しい描写でしょう!

    洒落た和虎の気遣いに朗らかに笑う柊と雪景色にはしゃぐ萌
    囁き合う愛の言葉も初々しく胸をくすぐります
    ああ、こんなふたりを見たかった…

    更新ありがとうございます!
    柊を抱きしめたい萌は次に何を語ってくれるのでしょう…
  • [評価] ★★★★★

    それが慈雨であったと知るのは
    嵐のさなかにあっても
    明日を信じたものだけなのだろう

    眠り続けた永遠の愛が
    芽吹きの時を迎えている…

    最後部に座り手を繋ぐ柊と萌
    まるでそこにだけ光が注いでいるような、そんな思いで見つめていました

    「…記憶を取り戻したことも、愛の言葉も、直接会って伝えたかったの」と語る萌のいじらしさ
    スローステップを初恋のそれのようと語る柊の優しさ

    静かに始まった二人の第2章は、懐かしい柊のマンションという場を得てどのような展開を見せるのか…
    期待が膨らみます
    でも今ごろ和虎や灰谷氏たちはやきもきしていることでしょうね

    幸せの予感のひと場面、更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★

    新たな扉が開くたびに
    人は心を強くするのだろう
    そして
    歩き出す道は
    きっと光に満ちている…

    手紙が2通そろってKENTAROの胸に抱かれた時、心から安堵の息をつきました
    役目を果たし手紙自身の長く数奇な旅も終わる…
    3人が心の重荷を下ろし別れを告げるシーンがしみじみと胸に残ります

    そして柊と萌が手を繋ぎ歩くシーンは最終章の始まりに相応しく眩しい思いです
    会いたかった、は愛してると同意語なのですよね
    空白の時を埋めるこれからのふたりの描写が楽しみです
    永遠の愛を見つめたい…

    更新ありがとうございます!
    柊が待ち続けた7年、しののめ様が禁兄を描き続けてくれた7年、重なる時間が感慨深いです
  • [評価] ★★★★★

    1,2ヵ月ほど前から読み始め、気が向いたときに少しずつ読み進め、とうとう最新の更新までたどり着きました。めちゃめちゃいいタイミングで出会えた作品だなというのが正直な感想です。作品公開日から7年もたっているじゃないですか!7年も書き続けられるのはすごい。更新を待ち続ける読者もすごい!7年待てる男もすごい()
    ここから新たな波乱が起きたとして(7年書いてまだやるの…新参者の自分は全然構いませんが…)柊と萌を最後まで見届けたいと思います。
  • [評価] ★★★★★

    更新、ありがとうございます🙇⤵️

    夏巳さんの手紙――――これは…もう【愛】でしかなかったです。

    こんなにも救われる手紙は無いでしょう。

    それを萌が声に出して読んでいると思うと―――静かに涙が溢れました。

    激しい涙ではなく…静かな…涙―――…


    手紙の中で何度も【愛している】と語った夏巳さんの最後の思いに…本当に涙が静かに流れ落ちました。

    そして、母と父の死の間際に託された最後の手紙をKENTAROに渡たせた事の大きさは、計り知れないとおもいます。

    2通の手紙はやっとKENTAROに届き、萌と柊の止まっていた時間が動き出す…


    柊、萌――――頑張った!!!


    本当に!頑張った!
  • [評価] ★★★★★

    愛することは 哀しい
    愛されることもまた…
    けれど やはり 愛はすべてを凌駕する

    私はいつも祈りに近い感情を持ちながら本作を読んでいるのですが、今、この章を読み始めた時からのすべての祈りが届いた想いでいます

    最期の時に愛だけを胸に残し謙太郎を救った夏巳さん
    赦されない呪縛から解き放たれたKENTARO
    そして、自らの痛みを越え夏巳さんの化身ともなった萌と彼女を抱き幸せと奇跡を噛みしめる柊…

    修羅の時も禁忌もすべてが昇華されたような今回のシーンにある意味禁兄ドラマチックの集大成を感じ、美しい愛の形を描き出す作者さまに改めて唸るばかりです

    更新ありがとうございます!
    印象深いシーンでした…
  • [評価] ★★★★★

    その人は そこにいた
    待ちつづける魂として
    今 その人もそこにいる
    三人を繋ぐ奇跡となって…

    ── 無理やり抱いた
    そう口にした時KENTAROの心までが膝をつき深く項垂れたように思えました
    まるで懺悔をするように…

    ああ、そうなのだ、手紙の封を切るという一見無謀な萌の行為は恐らく無意識にせよKENTAROに告白をさせ夏巳さんの声を聞かせるためのものに他ならない…
    柊、あなたの最愛の人はこんなにも強く慈悲深い、と思わず呟き唸りました

    KENTAROとの相似と相違、禁忌を廻る柊の想いに心を寄せながら手紙で語られるのは赦しか嘆きか、さらに息をのむ思いです

    更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★

    叶えたい望みや夢があるならしっかりと胸に描いて…のくだり今回で3回目ですよね…
    確か萌サンの記憶なくなる前となくなってからと合わせて。
    初めて柊サンがそのコトバを萌サンに話した時、ワタシも何て素敵なコトバなんだろう!!と深く感動しました。そして実はそのコトバを紙に書き写し自分ちのリビング壁に貼ってますっ今も笑
    ちょっとビックリしました!
    そしてまた文章中に再登場してとても嬉しかったです!
    美也子サンも素敵なコトバだって言ってましたけどワタシもホントにそう思います!


ストーリーメニュー

TOPTOPへ