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突然、運命に奪われちゃいました

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サラサラなびくショートヘア。色気ムンムンの流し目。透きとおった白い肌。スラリとしたモデル体型。
それらを兼ね備えた彼は、目映いオーラをキラキラ放つ。
まさに『美形中の美形』と呼ぶに相応しい美形だった。

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見たことのない美形中の美形に――

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マドカ

(う、うわぁーー!!
超美形ー!!
運命キタァー(゚∀゚)ーッ!!)

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と心の中で、ひと昔前に流行った電車の恋愛ドラマ張りに叫んだ。
マドカは瞬時に、これを『運命的な出会い』だと思い込んだ。誰がなんと言おうと、信じてやまなかった。

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美形中の美形

クスクス。
えーと……駅、わかる?

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なかなか答えられないマドカに、
極上の笑みで再度聞き返す、美形中の美形。
その笑みにハートをズキューンと打たれてしまうと、マドカはますます美形の沼にズブズブと呑み込まれていく。

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マドカ

はいっ! まっすぐ行って右ですっ!
な、なんならご案内いたしましょうか!?

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美形中の美形

ありがとう。
君、優しいんだね。

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マドカ

(くっ……くはぁあ……褒められた。
ヤバい……ヤバいよぉ……)

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マドカはマジでヤバくて鼻血噴出寸前。いや、よく見ると、鼻の穴から若干『こんにちは』している。なので、さりげなくハンカチで押さえ、『これ以上鼻血が出ませんように』と祈りながら、ハリキッて案内をしだした。

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