20191231

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[作品説明]

「……ヒロ?」

濡れて乱れた彼女の髪を指で分けながら言った。

「こんなに汗をかいて」

薄明りのベッドの上で大の字に縛られ、
息も絶え絶えに繰り返された強制アクメに、
恍惚の表情を浮かべる彼女にはもう、
こちらの声さえも聞こえていないかのようだった。

「とても、きれいだよ!ヒロ」
「…さぁ、ご褒美をあげないとね」

私は、彼女の頭をベッドの端へそっとずらし、
彼女の額がこちらを向くように顎に手を当てた。

「…もぅ、ゆる……して…」

快楽の余韻の中で、消え入るような細い声がした。

目の前に青白く光る肢体の美しさに見とれて、
刹那な願いも、もはやむなしい抵抗でしか無い。

「やさしくするから……我慢できるね」

私は、こみ上げる興奮にそそり立った男根を、
彼女の口元に押し当てながら少しづつ、少しづつ、
口腔内を確かめるように沈めていった。

「…ぅっ、……ぉぐっ、………ぐごっ」

何という気持ちよさなんだろう。
包み込まれるような吸いつきと温かさで、
一瞬、天井を見上げた。

私は、彼女の喉に手のひらを当てながら、
一度、自分の物をゆっくりと引き抜いた。

「ごほっ、ごほっ………、ぅ~~」

むせかえる苦しさに彼女は頭を上げようとしたが、
すぐに、両掌で頭を包み込むように押え、
挿入の快感に酔いたいと思った。

「とっても、いいよ……ヒロ」

私は、ふたたび彼女の口に熱い男根を挿入し、
今度はゆっくり抽挿を試みた。

すると、ゾクゾクする快感の中で、時折、
彼女の裸身がガクン、ガクンと波打つ。

「もうすぐだよ……ヒロ!」

いつの間にか我を忘れて陶酔の抽挿を繰り返し、
性器のような彼女の口腔内は唾液とカウパーが交じり合い、
やがて私は唸るように性交の証を吐き出した。

「ヒロ……よくがんばったね」

彼女はぐったりした裸身を晒したまま、
頷くのが精いっぱいだった。

私は、縄を全て解き、裸身をいたわるように
毛布にくるんで主寝室まで抱いて運んだ。

うずくまる彼女の背に寄り添いながら、
私は精一杯の気持ちを伝えた。

「…ヒロ、愛してるよ」

彼女はしばらくじっとしていたが、
ゆっくりと裸身を返して小さく頷いた。

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