蜜会…春の揺れ

完結

[作品説明]



「さっき、電話が鳴ってたみたいだぞ…」

「…ほ、ほら、黙って抜けてきたから……」

 スマホを出そうと、バッグへと伸ばすわたしの左手の指先を見つめ…

「ふぅん………」
 
「え…」

 その目は、わたしの嘘に気づいた目…

「……………」

 その薬指には…
 今朝までの痕がしっかりと浮かんでいた。

「……う……ん……い、いいの…………」

「………そう……か…………」

 ブー、ブー、ブー………
 再び、バッグの中が震え…

「…………」

 わたしは、それを黙って見つめる。

「いいのか」

「う、うん………」

 それも嘘……

 揺らぐ想いを誤魔化すように、ふと、窓に目を向けると…

 夜景の煌めく夜空に…
 散った桜がひらひらと、夜風に舞っていた……


 春の舞い
 ひらひらごとに
 揺れし心
 すまし顔さえ
 熱を孕みて


 春シリーズ第3話



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