花鬼(はなおに)~風の墓標~

完結

[作品説明]

~この世の中には、出逢わぬ方が良かったのではないか、そう思ってしまうような不幸な出逢いがあるものでございます。私がこれからお話し致すのも、まさにそんな運命(さだめ)に翻弄されたとしか言いようのないある一組の男女の物語でございます。  序章より~

第二部~風花(かざばな)~

 戦国乱世、武門に生まれた女は成長後は、親兄弟の言うがまま、政略で他家に嫁がねばならなかった。
 第二部のヒロイン熊(ゆう)もまた、父の命令で人質として甲斐の武田氏に預けられる。
 そこで、運命の出逢いが待ち受けているとも知らずに。。
 しかし、忘れ得ぬ男と出会ったのもつかの間、彼女は冷酷非道で女好きと謳われる武田信虎に見初められてしまう!

 第一部では美しき鬼と恐れられていた信玄がまだ子どもの頃の話です。

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 戦国乱世のただ中、甲斐の国の奥深い森で暮らす猟師太吉(たきち)には、美しい絢(あや)という妻がいた。

 ある日、絢は森の泉のほとりで、若く美しい武将にめぐり逢う。綾にひとめ惚れしたらしい男は、その日以来、彼女を執拗に追いかけ回すようになった。

 絢にとって、その男は恐怖の対象でしかなかった。なにより、まるで狩りの獲物を見るようなまなざし―。熱っぽいけれど、冷酷そのものの眼で見つめられると鳥肌立つのだった。

 太吉は綾を守ろうと必死になるが、ついに絢が男の手に捕らわれる日が来てしまう。
 美しい武将に館に連れ帰られた絢は、その男が家臣たちから〝お館(やかた)さま〟と呼ばれる意外な人物であることを知り。。。
 

 

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