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短編集

第9章 「マンホール」

「じゃあ、俺が下で支えるから、肩に乗ってみるか?」

「お~、いいね、それ」


上手くいけば、地上に手が届くかもしれない。

「じゃあ、わたしが肩に手をかけるから体を支えてよ」

そういうとゴスロリは俺の両肩に手を掛けた。

俺はゴスロリの両脇に手を入れて持ち上げた。

「よいしょ、よいしょ」

ゴスロリは俺の体を踏み台にして体を上げていく。

ふりふりの服が顔に当たったり、胸や体が触れ合う。
狭いのでずり上がる要領だ。

俺もゴスロリの体を上に押し上げる。

「ちょっと変なとこ触らないでよ」

「手伝わないと上がれないだろ」

「しょうがないなぁもう」
俺はゴスロリのお尻をぐいっと上に押し上げる。

「きゃあ!もう…」

「あ、上がれたか?」

ゴスロリは俺の両肩に頭を跨いで立った。

そうとう肩が痛いけど、見上げるとパンツ丸見えだったので、元気が出た。

男っていうのはそういうものだ。

ちなみにパンツは白だ。

…久しぶりに、俺の馬鹿。

「どぉだ?届きそうか?」
「ん~ちょっと待ってよ…もう少し」

「がんばれ」

「ん~もうちょい」

俺は両手で壁を押すようにして体を支えていたが、かなりつらい。

「ねえ、このままじゃ、届かない。ジャンプしていい?」

―ジャンプだと?

「おい、俺の上でジャンプするのか?それで届きそうなのか?」

「うん、届くかも」

「届くかもって、失敗したら落ちてくるんだろ?」

「そうね」

「そうねって…」

「でもやらないと出られないよ?」

「…わかったよ!1回で決めてくれよ?」

「もち!任しといて!」

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