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短編集

第9章 「マンホール」

「よーし、じゃあ、飛ぶよ?」

「おおっ!いけっ!」

「3、2、1…えいっ!」

ぐっ!

両肩にゴスロリの履いていたローヒールのかかとが食い込む。

―。

落ちて…こない?


「おいっ!上手くいったのか?」

スカートの中のパンツが丸見えのゴスロリが、少し上でぶら下がっていた。

「…っく」

なんとか縁に手を掛けたが体をあげられない状態だ。

「おいっ、がんばれっ!」

「だめぇっ!上がんないっ!」

俺はゴスロリの足の裏を両手でジャンプして押した。

「いけっ!上がれっ!」


「ん~っ!!」

ゴスロリは腕をぷるぷる震わせて体を上げようとしている。

必死だ。

がんばれ!

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