メイド喫茶へようこそ
第12章 千佳の場合〜ご褒美ください〜
「あれ?千佳もこっちじゃないの??」
奏が振り返る。
「ごめん、今日ちょっと寄り道して帰るから!またね!」
「ふぅん?分かった〜。気をつけてね〜!」
手を振ってみんなと別れる。
お店の近所をただフラフラと歩いて時間をつぶし、私はまたお店に戻った。
カランカラン…
フロアには誰もいない。
電気も消されて真っ暗だ。
でも奥の部屋には、きっとまだ明かりがついているだろう。
「…よしっ!」
私は気合いを入れ直して、目的の部屋へ行くべく奥へと進んだ。