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第12章 千佳の場合〜ご褒美ください〜
「なんだ、千佳か。どうした?」
オーナーは少し驚いたように目を丸くして私を見た。
「…オーナー、私MVPとりました。」
「そうだな、おめでとう。本当よくがんばった」
オーナーはにこっと微笑む。眼鏡の奥のその笑った目がたまらなく素敵でドキドキする。
「オ、オーナー、あの……それで……」
私は思わずオーナーから目をそらした。さっき気持ちを決めたハズなのに、ドキドキして上手く話せない。
キイッ…
オーナーは椅子を少し回転させて机に向いていた身体を少し離した。
「千佳、こっちへおいで」
「は、はいっ…」
私は荷物を床に置いてオーナーに近づいた。
ぎゅっ…
オーナーは私の腰に腕をまわして抱き寄せると耳元で言った。
「分かってるよ、ご褒美が欲しいんだろう?」