遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第5章 凍れる月~生涯の想い人~
いかに南斗が切望しようと、南斗の両親である尹氏夫妻が認めはしないだろう。尹家には、その体面と財力にふさわしい家門から妻を迎えねばならないし、その力をもってすれば、両班の姫を娶ることも不可能ではない。
一体、南斗にそのことをどうやって説明すれば良いのか。
途方に暮れた梨花が口を開きかけた時、梨花は突然、引き寄せられた。
強く、骨が砕けるのではないかと思えるほどの力で抱きしめられる。
「若さま?」
見上げると、すぐ前に南斗の端整な顔があった。そのまま唇と唇が重なる。
初めは啄むような軽く触れ合うだけの接吻が、徐々に深くなってゆく。角度を変えた口づけは延々と続いた。挿し入れられた舌に梨花がおずおずと躊躇いがちに自分の舌を絡めると、南斗は自らの渇望を示すかのように烈しく梨花の舌を吸い上げた。
一体、南斗にそのことをどうやって説明すれば良いのか。
途方に暮れた梨花が口を開きかけた時、梨花は突然、引き寄せられた。
強く、骨が砕けるのではないかと思えるほどの力で抱きしめられる。
「若さま?」
見上げると、すぐ前に南斗の端整な顔があった。そのまま唇と唇が重なる。
初めは啄むような軽く触れ合うだけの接吻が、徐々に深くなってゆく。角度を変えた口づけは延々と続いた。挿し入れられた舌に梨花がおずおずと躊躇いがちに自分の舌を絡めると、南斗は自らの渇望を示すかのように烈しく梨花の舌を吸い上げた。