遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第7章 哀しい現実
ソルグクの話は、南斗が知る事件の全貌とと全く一致していた。彼の話が単なる嘘や出任せではないことを、当事者の南斗自身が最もよく知っている。
南斗、いやソンジュンにとって、梨花は最愛の妹であった。七つ下の妹は、いつも何をするにも彼の後をついてきた。そんな妹をソンジュンは親しみを込めた愛称として〝小花〟と呼んだ。梨花を小花と呼ぶのは、この世でソンジュンだけだった。
果てのない絶望と孤独が彼を呑み込み、彼は心を切り裂く負の感情に負けそうな自分を怖いくらい意識していた。
あの小さかった妹、いつも自分の後をついてきて、転んで泣いていたばかりの幼い妹が恋をするような年頃になっていたのだ。
本来なら、兄として妹の成長を誰よりも歓ぶべきはずなのに、妹が恋をした相手がよもや自分であったとは。
南斗、いやソンジュンにとって、梨花は最愛の妹であった。七つ下の妹は、いつも何をするにも彼の後をついてきた。そんな妹をソンジュンは親しみを込めた愛称として〝小花〟と呼んだ。梨花を小花と呼ぶのは、この世でソンジュンだけだった。
果てのない絶望と孤独が彼を呑み込み、彼は心を切り裂く負の感情に負けそうな自分を怖いくらい意識していた。
あの小さかった妹、いつも自分の後をついてきて、転んで泣いていたばかりの幼い妹が恋をするような年頃になっていたのだ。
本来なら、兄として妹の成長を誰よりも歓ぶべきはずなのに、妹が恋をした相手がよもや自分であったとは。