遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第8章 終焉
刹那、多量の鮮血が溢れ出し、飛び散る。
南斗自身の服も返り血で濡れた。
「この―、青二才めが。このようなことをしでかして、ただで済むと思うなよ?」
口からも血を溢れさせながら、威徳が恨めしげな眼で見上げる。
南斗は突き立てた短刀に力を込め、更に深く刺し貫いた。
「もとより、ただで済むとは思ってはおらぬ。猛威徳、亡き父母の無念を今日、ここに晴らす。大勢の罪なき者たちをゆえもなく殺めたその罪、己れの生命で贖うが良い」
「―お前は誰だ?」
威徳の問いかけに、南斗は薄く笑う。
「十一年前、貴様が殺害した林成水の息子林松俊だ。当時、兵曹判書だった林成水の名をそなたが忘れるはずもなかろう」
この男が父を母を、そして多くの使用人を惨殺し、我が身と妹梨花の運命を狂わせたのだ。
南斗自身の服も返り血で濡れた。
「この―、青二才めが。このようなことをしでかして、ただで済むと思うなよ?」
口からも血を溢れさせながら、威徳が恨めしげな眼で見上げる。
南斗は突き立てた短刀に力を込め、更に深く刺し貫いた。
「もとより、ただで済むとは思ってはおらぬ。猛威徳、亡き父母の無念を今日、ここに晴らす。大勢の罪なき者たちをゆえもなく殺めたその罪、己れの生命で贖うが良い」
「―お前は誰だ?」
威徳の問いかけに、南斗は薄く笑う。
「十一年前、貴様が殺害した林成水の息子林松俊だ。当時、兵曹判書だった林成水の名をそなたが忘れるはずもなかろう」
この男が父を母を、そして多くの使用人を惨殺し、我が身と妹梨花の運命を狂わせたのだ。