遠い約束~海棠花【ヘダンファ】~
第8章 終焉
「もう自分を責めないで」
梨花の言葉に、ソルグクは首を振る。
「俺はもうお前とは一緒にいられない」
「どうして? どうして、そんな哀しいことを言うのよ」
梨花がソルグクの上着の裾を掴んだ。
「お前を見ていると、俺は自分が引き起こしてしまった罪への呵責をどうしても思い出してしまう。お前がたとえ気にしなくて良いと言ってくれようと、俺が放ったひと言で、一人の生命が失われたんだ。それに、こんなことがあった後では、今までのように、お前の兄としてふるまうのは難しい。お前をこの橋の上で見つけてから、ずっとこの十一年間、恋い慕ってきたんだ」
「お兄ちゃん―」
梨花は茫然として呟いた。
たとえ血の繋がりがなくても、兄だと信じ込んできたソルグクが自分を妹ではなく、女として見ていたというのか。
梨花の言葉に、ソルグクは首を振る。
「俺はもうお前とは一緒にいられない」
「どうして? どうして、そんな哀しいことを言うのよ」
梨花がソルグクの上着の裾を掴んだ。
「お前を見ていると、俺は自分が引き起こしてしまった罪への呵責をどうしても思い出してしまう。お前がたとえ気にしなくて良いと言ってくれようと、俺が放ったひと言で、一人の生命が失われたんだ。それに、こんなことがあった後では、今までのように、お前の兄としてふるまうのは難しい。お前をこの橋の上で見つけてから、ずっとこの十一年間、恋い慕ってきたんだ」
「お兄ちゃん―」
梨花は茫然として呟いた。
たとえ血の繋がりがなくても、兄だと信じ込んできたソルグクが自分を妹ではなく、女として見ていたというのか。