壁一枚 2nd
第19章 記憶喪失
明子「ここが孝志の部屋よ」
孝志「ここが俺の…」
明子「大丈夫、何も心配する事はないわ
ゆっくり思い出せばいいから、ねっ」
孝志「…うん」
弱みに付け込む
ではないが孝志の記憶喪失をきっかけに
明子は孝志との距離を少しずつ
確実に
縮めていった
明子「お腹空いてるでしょう?ご飯作る
から」
孝志「ありがとう」
明子「ちょっと待っててね」
孝志「あのさ」
明子「何?」
孝志「さっき俺達と一緒に病院にいた子
あの子ってさ…」
明子「大学の子よ、孝志が事故に遭った
時、側にいたから病院にいただけ、ただ
それだけよ」
孝志「そうなんだ」
明子「うん」