壁一枚 2nd
第19章 記憶喪失
孝志「…」
明子「有り合わせのものだけど」
孝志「…ありがとう」
明子「どうかしたの?」
孝志「あの子…病院で会ったあの子の顔
が頭から離れなくて…」
明子「…生徒思いだからね…仕方ないわ
よ」
孝志「俺が生徒思いって…ちょっと笑え
る」
明子「そう?」
美緒の事
頭は覚えていなくても心はちゃんと
ちゃんと覚えていた
だから別れ際の
美緒のあの悲しい顔が孝志の記憶に残り
孝志は心は美緒に強く
引かれたのだ
孝志「そうだ、明日彼女に聞いてみよう
俺がどんな先生だったか」
明子「…別にいいけど…でも忘れないで
孝志の彼女は私だって事を…」
孝志「わかってるよ」
明子「…」