壁一枚 2nd
第19章 記憶喪失
美緒「…」
孝志「お腹の子…」
美緒「えっ?」
孝志「お腹の子は…大丈夫だったのか?
その…」
美緒「…間違いだったの」
孝志「間違い?」
美緒「お医者さんに聞いたら間違いだっ
て…それから勇樹君の事だけど…本当は
何もなかったの…」
孝志「えっ」
美緒「信じてもらえないかもしれないけ
ど…」
孝志「信じるよ」
美緒「…」
孝志「信じる」
妊娠は間違いだった事
そして勇樹とは何もなかった事を伝えた
あの日、本当は何もなかったなんて
信じてもらえないと思ったが
孝志は美緒の言葉を
信じてくれた
孝志「俺もごめん…美緒の事…忘れるな
んて…」
美緒「先生は悪くない、悪くなっ…」
孝志「…」
美緒「先生…」
久しぶりに強く抱きしめられ
嬉しさからか美緒は両目から大粒の涙を
流し喜んだ