
壁一枚 2nd
第21章 証
孝志「…」
美緒「孝志さん」
孝志「美緒?どうした」
美緒「えへへ」
授業の合間
美緒は教授室を訪れていた
勇樹が引っ越した事、それを伝える為だ
ったが
そんなのは建前で
本当は…
美緒「次の授業まで、いてもいい?」
孝志「いいよ」
美緒「やった~!!」
離れていた時間
距離を取り戻すかのように
美緒は休み時間の度に孝志の元を訪れて
いた
一緒にいる事
二人にとっては普通の事だったが
少し前の事を思うと一緒にいられるのは
ものすごく幸せな
事だった
美緒「ねえ」
孝志「?」
美緒「この箱、何?」
孝志「あっ!?」
テーブルの上にあった
綺麗にラッピングされた小さな箱
見た感じ誰かへのプレゼントのようだっ
たが…
