黒子を溺愛
第5章 お兄ちゃん~紫原敦side~
扉を開くと、そこには大好きな子の姿。
黙ったままテツヤを抱っこして、強く抱きしめる。
ふわっと香る石鹸の匂いと暖かいテツヤの体温。
総てが幸せで包まれる感じがした。
テ「あっくん?」
敦「なぁに、テツヤ」
テツヤに話しかけられると心があたたかいモノで満たされていく。
テ「おかし…ちょうだい?」
敦「お菓子?何が欲しい?」
テ「あまいのがいい!」
敦「チョコレートいる?」
テ「いる!!」
いつも持っているチョコレートを袋から出して、テツヤの口まで運ぶ。
敦「おいしい?」
テ「うん♪あっくん、ありがと!」
心からの笑顔でお礼を言うテツヤ。
その笑顔に何度癒されたことか。
俺は再び弟の小さな体を抱き上げて、頬にキスをした。