出会い系サイトのレイプマン
第2章 ガソリンスタンドからの脱出
暗くて視界が悪く道路しかないと思っていたが、ライターの火をつけたら電話ボックスの後ろに雑貨屋のお店があるのに気がついた。お店の大きさは間口が6間程度で、銀色のトタン屋根の建物だった。お店の入口付近上部には林家商店と白いペンキで書かれているが、文字も部分的に剥げていて長い年月が経っているようだった。
あっ、戸が開いている、中に入れそうだわ…
雑貨屋林家商店入口は木製の雨戸で閉められていたが、入口扉が少し開いていた。誰かが閉店しているのを承知で侵入でもしたのだろう。
ガタ、ガタ、ガタッ、ズズズーー、田中理沙は雨戸を開けて林家商店の中に侵入して行く。
カチッ、カチッ、ボッ!ライターの火をつけて辺り周辺がどうなっているのか照らして見た。さっきまでは灯りもなく不便だったが、ライターを手に入れたので少しだが心強くなった。
何もないわね、ここが精算カウンターだったのかな?…
ライターの灯りで見えたのは、高さ70センチ、奥行90センチ、長さ200センチ、程の木製の精算カウンターだった。カウンター内はレジスターもない時代の雰囲気が漂っていた。店の親父がそろばんを使い、計算でもしていたのではないかと思わせた。
ライターの灯りをつけたまま精算カウンターに、二三歩近寄って見ると壁にシンプルなカレンダーが掛けられていた。