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出会い系サイトのレイプマン

第2章 ガソリンスタンドからの脱出

今がここで、この場所はちょうど十字路なんだ…

住宅地図を見るまではわからなかったが、林家商店は十字路の角地に位置していた。

メリメリ、バリッ、この住宅地図は使えるわ、持って帰ろう、自力で脱出せねば…

理沙は黒いハンドバッグの中に、新聞紙半開きサイズの住宅地図を折りたたみしまいこんだ。

スマートフォンが使えない状況になると、たちまち昭和の時代に逆戻りしてしまう。五感を働かして行動しなければならなかった。

カツ、カツ、カツ、カツ、理沙は精算カウンターから離れて林家商店の店内を歩いて行く。セメントの上を歩いているので、靴の音がカツカツと鳴った。

林家商店の店内の広さは20坪程度の規模で、何も置かれていなかった。奥に進むと裏口ドアが見えた。

住宅地図には林家商店の他に、床屋、電気屋、豆腐屋、クリーニング屋など、ちょっと見ただけでも十字路周辺には沢山の店が軒を連ねていた。

理沙は疑問に思っていた、何故?なのと、何故誰も人がいないのか?と、疑問に思っても教えてくれる人もいないし、スマートフォンで調べる事も出来ない境遇に置かれた自分、そう頼れるのは自分の五感だけだと気がついていた。







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