テキストサイズ

雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】

第4章 LessonⅣ 忍ぶれど

「信じられない。だって、聡さんって、イケメンだし知的でクールで、それに優しいわ」
 一生懸命に聡の魅力を数え上げようとする輝を見て、聡が笑った。
「そんなに過分に褒めて貰えるのは嬉しいけどね。生憎と俺はそんな理想を絵に描いたような男ではない。第一、もう、かなりのおじさんだよ。俺の歳を知ってるんでしょう」
「ええ。由佳里さんのお父さんと同じ歳だって」
「そうそう。由佳里ちゃんは俺の娘みたいなものなんだ。それをいえば、輝さんだって、俺の娘といったって、おかしくはない」
「そんなことありません! 私はもう三十一で、聡さんとは由佳里さんほど歳は違わないわ」
 ムキになった輝を愕いたように見つめ。聡は小首を傾げた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ