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第4章 葛藤と友情


「着替えてくるから」


キミイさんはそっけなく言うと、奥の部屋に消えて行った。


「…んだよ、まだ怒ってんのかよ」


テーブルに料理を運びながら、龍は文句を言う。
俺はフッと微笑した。


「お前、そういう所は不器用だよな。素直に謝って、笑顔でアルフォート渡せばいいんだよ」

「…俺はひねくれ者だからな」


ムスッとしたまま料理を運び終えると、龍は冷蔵庫に入れてあったアルフォートを一箱取り出した。
それを持って奥の部屋に向かう。


…ったく。
ケンカできる相手がいるだけでも羨ましいよ。


俺は一人、微笑を漏らした。


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