359°
第4章 葛藤と友情
「着替えてくるから」
キミイさんはそっけなく言うと、奥の部屋に消えて行った。
「…んだよ、まだ怒ってんのかよ」
テーブルに料理を運びながら、龍は文句を言う。
俺はフッと微笑した。
「お前、そういう所は不器用だよな。素直に謝って、笑顔でアルフォート渡せばいいんだよ」
「…俺はひねくれ者だからな」
ムスッとしたまま料理を運び終えると、龍は冷蔵庫に入れてあったアルフォートを一箱取り出した。
それを持って奥の部屋に向かう。
…ったく。
ケンカできる相手がいるだけでも羨ましいよ。
俺は一人、微笑を漏らした。