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第5章 甘い香りとしょっぱいキス


次の日の放課後。
オレと木下は、また『アリスの森』に向かった。
文化祭まで何度も足を運ばなきゃいけないのは、正直苦痛だ…。




「じゃあ、販売するのはチーズケーキと手作りクッキーと紅茶ですね」


そう言って木下はメモを取る。

今日は余計な邪魔も入らず、トントン拍子に話が進んだ。



オレはチラリと菅生さんを見た。
珍しく仕事モードで、それがかえって不気味だ。



「じゃあクッキーは前日に作ったほうがいいな、賞味期限短いし。店終わってから作るけど、夜来れる?」

「あたしは10時までなら…」

「オレは何時でもいいっすよ」

「よっしゃ、じゃあ2人とも8時頃に来てくれ。エプロンはこっちで貸すから」



文化祭前日、オレたちは販売するクッキーを一緒に作ることになった。一応協力はしないとな。




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