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第5章 甘い香りとしょっぱいキス


打ち合わせが終わり帰ろうとすると、オレの携帯が鳴った。順平からだ。


「…んだよ」

『お前いっつも機嫌悪いね』

「るせーよ、何の用だよ」


眉間にシワを寄せて話してると、木下が心配そうな顔して覗き込んできた。


「あ…先帰っていいよ?」


携帯をずらしてオレがそう言うと、木下は首を左右に振った。


「もう少し一緒にいていい?///」

「…っ」


木下のいきなりの大胆発言に、オレは思いっきり動揺する。


「えっ…あ…///」



『おーい、卓也?』

「あっ…わ、わりぃ…で?」

『今さー、駅前のカラオケにいんだけど。文化祭の練習するから来てくんない?』

「は?なんでオレが…」

『一人じゃ練習なんねーだろぉ?アドバイスとかしてくれよ』

「まみちゃんにしてもらえよ」

『お前じゃないとだめなんだよ』

「…」



オレは一瞬迷った。

カラオケでもいいからあの曲を思いっきり歌いたいと思った。



「…わかったよ」

『さすが卓也♪受付で待ってるわ』




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