359°
第5章 甘い香りとしょっぱいキス
電話が終わると、もうそこに菅生さんの姿はなかった。
いつもならすぐからかってくるのに…
…って、別にからかって欲しいわけじゃないからな///
オレと木下は店を後にすると、カラオケ店に向かった。
「卓也、こっちこっち」
受付そばのソファーで座っている順平を見つける。
「何、順番待ち?」
「うんにゃ、部屋は取ってあるよ」
順平がそう言った後、突然背後からガシッと両腕を掴まれた。
「!?」
そしてズルズルと後ろに引きずられる。
「はっ…?なっ…!?」
後ろを振り向くと、金髪が見えた。
「何してんだよ、おっさん!!」
「あ、バレた~?」
それでも離してはくれず、オレは無理やりエレベーターの中に連れ込まれた。
続いて順平と木下も入ってくる。