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第5章 甘い香りとしょっぱいキス


「あ、もう10時過ぎてるよ、木下さん、帰らなくて大丈夫?」


壁にかけてある時計を見て、菅生さんが木下に向かって言う。


「あ、ほんとだ。もう帰らなきゃ」


身支度をした後、木下はオレに振り向いた。


「任せちゃってごめんね」

「ううん」

「明日、頑張ろうね」

「ああ」

「…じゃ、帰るね…」


名残惜しそうに手を振ると、木下は帰って行った。



オレは型抜きの続きを始める。



「卓也くん、彼女…送らなくて良かったの?」





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