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第5章 甘い香りとしょっぱいキス


「…えっ…」


急にサラリーマンの兄ちゃんに話しかけられ、オレは戸惑った。

結局この間スルーされてから、一度も会話してなかったからだ。



「あ…別に彼女じゃないし…」

「そういう意味じゃなくて、夜遅いから送ってあげた方がいいんじゃないかってこと」

「…あ…」



オレは反射的に時計を見た。
確かにもう10時過ぎてるし、女の子一人じゃ夜道は危険だ。



「じゃあオレ、ちょっと行ってきます」


エプロンを脱ぐと、そのまま店を出た。




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