359°
第6章 熱意と決意
振り返ると、その女性の隣に高藤さんの姿があった。
オレはふっと、昨日の夢を思い出す。
昨日、高藤さんの車の中でいつの間にか眠ってしまったオレ。
夢の中でもオレは、助手席で眠っていた。
そしてなぜか高藤さんがオレをジッと見つめ、頬を撫でて…
オレにキスをした。
そんなこと、
リアルじゃ絶対ありえないよな!?
でも感触はやけにリアルだったんだ…
それがあったせいか、オレは高藤さんの姿を見ただけでドキドキしてしまった。
すぐに高藤さんから目をそらすと、
「卓也くん?」
後ろから声をかけられた。