359°
第6章 熱意と決意
人集りから離れると、オレは木下から手を離した。
なんとなく知り合いには見られたくなかったからだ。
「えっと…菅生さん、結婚してたんすね」
しかもこんな美人と!!
「うん、龍ちゃんからは、卓也くんのこと色々聞いてるわ」
龍ちゃん!?wwww
オレはついつい、プッと笑ってしまう。
「卓也くんは今日歌わないの?」
「あ…オレは実行委員の仕事あるし、歌うのは友達だから…」
「そっか、残念。私、卓也くんの歌聴きたかったなぁ♪」
そう言ってキミイさんは首を傾げながらニコッと笑った。
ウェーブのかかった髪がフワッと揺れて、すごくいい匂いがした。
「///」
菅生さん、どこでこんな美人と知り合ったんだろwwww
羨ましすぎるwwww
よく見ると、胸でかいしwwww
「拓哉さん」
その時、背後から声がした。