359°
第6章 熱意と決意
「卓也くん、もちろん見に来てくれるよね?」
高藤さんがオレに向かって言った。
「えっ…ああ、はい、たぶん…」
ついはっきりしない態度をとる。
ほんとは、めちゃくちゃ見たいくせに…
だけど順平がな…
あれ?
そういや、順平…朝から見てねぇな?
「そういえば順平とは会いました?」
そう尋ねると、高藤さんは蒼士をチラッと見た後、首を横に振った。
「まだ見てないけど、イベントは2時からだし、彼女と会ってるんじゃないかな?」
順平…
彼女よりもまずはとりあえず高藤さんたちに挨拶しろよな~
1日限りとは言え、バンドは一人でやるもんじゃないんだし…
…って、オレ…
なにこんなに心配してんだよ!!
オ、オレには関係ねぇんだから…