359°
第6章 熱意と決意
「ちょっ…やめっ…」
「あれぇ、卓の弱点はここかぁ?」
にやっと笑いながら、更にくすぐってくる。
「もっ…やめ……!!」
「龍、何やってんだ」
その時、低い声が後ろから響いた。
振り返ると、いつの間にか高藤さんが呆れた顔をして立っていた。
「何って、くすぐりの刑」
ニカッと笑いながら、オレから離れる菅生さん。
ホッとすると、
「こいつ、脇腹が駄目みたいよ?」
またつんっと脇腹をつつかれ、オレの身体はビクンッと震えた。
「ちょ、菅生さんっ…!!///」
脇腹を押さえながら怒ると、ふっと高藤さんのなんとも言えない複雑な表情が目に入った。
「…」
…あれ?
高藤さん、なんか怒ってる?
「あんま、いじめるなよ」
高藤さんは菅生さんの肩をポンと叩く。
もう一度顔を見ると、いつの間にかいつもの優しい表情に戻っていた。
……気のせいか……
「2人とも、ナンパされたんだって?どうだった?」
キミイさんがさりげなく話題を変える。
「蒼士が始終無愛想にしてるから、諦めて帰っていったよ」
「え~、もったいない」
「でもREAL AND GLAYの名前は売っておいた。ライブする時は来てねって」
「えっ…もうライブするんですか!?」
オレは思わず声に出す。