359°
第7章 芽生えた感情と嫉妬
《龍side》
「拓哉さん、急にどうしたんでしょうね?」
拓哉が去っていくのを見届けた後、蒼士は首を傾げながら言った。
「ああ、多分…曲が浮かんだんだろ」
俺は拓哉が座ってた場所に腰を下ろす。
「そういうことですか…」
「あいつは曲が浮かぶと集中して、周りが見えなくなんだよ」
「意外ですね、普段は周りに気を配ってる方なのに」
「音楽に関しては熱い男だからな。ま、しばらくは帰ってこねぇだろよ」
そう言って俺は箱からタバコを一本取り出すと、くわえながら火をつけた。
ひとふかしすると、隣にいる卓也に振り返る。
「…って、卓寝てねぇ?」
俺は頬杖をついたまま目を瞑っている卓也の顔を覗き込んだ。
口元からは寝息が聞こえてくる。
「マジかよ…しゃあねぇな」
俺は座布団を二つに折り曲げると、その上に卓也の頭が乗るように、卓也の身体を横にした。
「…ん…」
瞬間、鼻にかかった声を出され、俺は一瞬ドキッとする。
…んな色っぽい声出すな、
襲うぞ…
俺の前で無防備に寝ている卓也の身体を、俺はなぞるように見つめた。
「拓哉さん、急にどうしたんでしょうね?」
拓哉が去っていくのを見届けた後、蒼士は首を傾げながら言った。
「ああ、多分…曲が浮かんだんだろ」
俺は拓哉が座ってた場所に腰を下ろす。
「そういうことですか…」
「あいつは曲が浮かぶと集中して、周りが見えなくなんだよ」
「意外ですね、普段は周りに気を配ってる方なのに」
「音楽に関しては熱い男だからな。ま、しばらくは帰ってこねぇだろよ」
そう言って俺は箱からタバコを一本取り出すと、くわえながら火をつけた。
ひとふかしすると、隣にいる卓也に振り返る。
「…って、卓寝てねぇ?」
俺は頬杖をついたまま目を瞑っている卓也の顔を覗き込んだ。
口元からは寝息が聞こえてくる。
「マジかよ…しゃあねぇな」
俺は座布団を二つに折り曲げると、その上に卓也の頭が乗るように、卓也の身体を横にした。
「…ん…」
瞬間、鼻にかかった声を出され、俺は一瞬ドキッとする。
…んな色っぽい声出すな、
襲うぞ…
俺の前で無防備に寝ている卓也の身体を、俺はなぞるように見つめた。