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第7章 芽生えた感情と嫉妬

《龍side》



「拓哉さん、急にどうしたんでしょうね?」



拓哉が去っていくのを見届けた後、蒼士は首を傾げながら言った。



「ああ、多分…曲が浮かんだんだろ」



俺は拓哉が座ってた場所に腰を下ろす。



「そういうことですか…」


「あいつは曲が浮かぶと集中して、周りが見えなくなんだよ」


「意外ですね、普段は周りに気を配ってる方なのに」


「音楽に関しては熱い男だからな。ま、しばらくは帰ってこねぇだろよ」



そう言って俺は箱からタバコを一本取り出すと、くわえながら火をつけた。
ひとふかしすると、隣にいる卓也に振り返る。



「…って、卓寝てねぇ?」



俺は頬杖をついたまま目を瞑っている卓也の顔を覗き込んだ。
口元からは寝息が聞こえてくる。



「マジかよ…しゃあねぇな」



俺は座布団を二つに折り曲げると、その上に卓也の頭が乗るように、卓也の身体を横にした。



「…ん…」



瞬間、鼻にかかった声を出され、俺は一瞬ドキッとする。




…んな色っぽい声出すな、
襲うぞ…




俺の前で無防備に寝ている卓也の身体を、俺はなぞるように見つめた。





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