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第7章 芽生えた感情と嫉妬




こんな細い腰して、俺を誘ってんのか?



拓哉が夢中になるのもわかるな…
…てか俺たち、いつも好きなタイプかぶるよな…



…どうせお前も、拓哉を選ぶんだろ?



俺はフッと笑って、卓也の腰を人差し指でつついた。
卓也の身体はピクンッと反応する。



「寝てても反応すんのかよ、笑える」


「全く…僕と同い年には見えないな。子供っぽすぎる」



おい、蒼士。
そう言いながらも、お前の目つき、優しいぜ?



「あの…」



その時、隣からか細い声が聞こえてきた。



「あ、えーと、君は木下さん?」



そういえばこの子もいたんだっけ。
俺らだけで盛り上がって悪かったな…



「はい。あの、私もう帰ります」


「ああ、ごめんな?送ってやれねぇけど、気をつけて帰ってな」


「はい、ありがとうございます…」



そう言って彼女は、ペコッと頭を下げると帰って行った。



もう少し愛想があれば可愛いのにな、
卓也が好きなんだろうな。




「罪な男だぜ…」

「誰がです?」

「こいつに決まってんだろ」



俺は卓也の寝顔を見つめた。





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