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第7章 芽生えた感情と嫉妬



「こないだのライブ、見に来てくれたんだな」


「…約束だからな」


「あの曲…拓哉のこと想って書いたんだけど、 気付いてくれた?」


「…」




あの曲とは、《Escape》のことだ。
卓也の好きな…




「俺は諦めないから…」



そう言うとマサは、顔を近づけて俺にキスをしようとした。

それを避けようとした時…




カシャッ!




すぐそばで、眩しい光と共にシャッター音が響いた。




「!」




俺とマサは同時に振り向く。
が、もうすでにそこに人影はなく、パタパタと走っていく足音だけが聞こえてきた。




「くそっ…」




マサはすぐさまその後を追う。



俺も追いかけようとしたが、車に戻りエンジンをかけた。




まさか、あんな所を撮られるなんて…




俺の胸がざわつき始める。




あんなものが世に出たら、
俺たちは終わりだ…



まだスタートラインにも立っていないのに…!




俺は奥歯をギュッと噛み締めた。





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