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第7章 芽生えた感情と嫉妬


女は観念したのか、もう片方の手で携帯を開けた。
パッと光が周りを照らす。
よく見れば、女は幼い顔をしていた。



…どこかで見たことある?



女が素早い動きで携帯のボタンを操作すると、パッと携帯の画面に俺と拓哉の姿が写った。



「!」



やっぱりハッキリと撮られている、
俺が拓哉にキスを迫っている姿が…。



「早く消去しろ」



俺は冷静に言い放つ。
が、女はその画面を見つめたまま微動だにしない。



「おい…」

「マサって、やっぱり噂通り…ホモだったんだ…」

「!」

「これって、スクープ…だよね…?」

「…んだよ、俺を脅す気か」



俺は更に手に力を込める。



「痛っ…!」



女は顔をしかめた。
が、肩を震わせて笑い始める。



「ふ、ふふ…ほんとにマサは、乱暴だね…」

「あ?」

「デュランなんて、どこがいいんだか…」

「おい、人のバンドけなすなよ」



俺は女を睨み付けた。



「あんたがやらないなら俺がやる」



そう言って俺は、女の携帯を奪おうとした。



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