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第7章 芽生えた感情と嫉妬

《龍side》



「あいつ、おっせぇ~なぁ…どこまで買いに行ってんだよ」



俺は空になったタバコの箱をクシャッと潰した。



「拓哉さんもまだ戻ってこないし…僕はそろそろ帰りますよ」


「おう…わりぃな。こんなぐだぐだになっちまって」


「暇つぶしにはなったからいいですよ」



そう皮肉混じりに言うと、蒼士は口角を少しあげながら卓也を見下ろした。



「…じゃ」



蒼士を見送った後、俺は残ったビールを呑み干した。



…あ、小便してぇな。



俺はチラッと卓也を見ると「ちょいトイレ行ってくるな」と一言伝えて立ち上がろうとした。



その時、



「…龍…さん…」



卓也のかすれた声がした。



………龍さん?
今、名前で呼んだ??



俺は卓也をジッと見つめる。
卓也は瞼をピクピクさせた後、うっすらと目を開けた。



「………オレも…トイレ行く…」



寝ぼけた顔でそう言われ、俺は不覚にもドキッとしてしまった。



…やべぇ…
こいつ、めちゃくちゃかわいい…



卓也、その顔は反則だろ…




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