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第7章 芽生えた感情と嫉妬


座敷に戻ると、なぜか険しい顔をして、拓哉が座って待っていた。
後ろめたい俺は、その表情を見てドキッとする。



「…もう曲作りは終わったのか?」

「ああ。それより卓也くん、大丈夫?」



拓哉の表情が和らいだ。
俺の隣で相変わらずボーッとしている卓也に、優しく声をかける。



「ん…」



卓也は目をこすりながら、眠たそうに答えた。



「送ってくよ」



優しい眼差しでそう言うと、拓哉はパソコンが入った鞄を持って会計に直行する。
会計を済ませると、店の前に停めていた車のドアを開けた。



「龍も送ってくから」

「…おう」



俺は卓也と一緒に後部座席に座る。
座った途端、卓也がコテンと俺にもたれかかってきた。



「…」



あんなことされたってのに、幸せそうな顔して寝てやがる…



人の気も知らねぇで…







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