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第7章 芽生えた感情と嫉妬


ふとバックミラーから視線を感じた。
拓哉と目が合う。




「…どうした?」



俺は内心焦りながら聞く。



「いや、さっき…マサに会った」

「…ああ…」



なんだ、マサのことか。



「あいつ、まだ俺のこと諦めてなくて…」

「はは、あいつはゴキブリ並みにしつこいからな」



拓哉はサイドブレーキを下ろして、アクセルをゆっくり踏んだ。
車は夜の繁華街を走り出す。
俺は流れる窓の外を眺めながら、拓哉の次の言葉を待った。





「………撮られたんだ」



拓哉が静かに言った。



「え?何を?」



俺は拓哉に振り向き、聞き返す。



「…マサに迫られてるところを、一般人に撮られた」


「えっ…」



拓哉の言葉に耳を疑う。



「マジでか?」


「…ああ。だけど、マサが追いかけてデータは消去したらしい…」



その言葉に俺は、ホッと胸を撫で下ろす。



「あのやろ…マジで自覚ねぇな」



今度会ったら、ケツにネギぶっこんでやろうか…


あ、わりぃ、下品だよな(笑)





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