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第7章 芽生えた感情と嫉妬



「で、その一般人はどんな奴だったんだよ?」

「女性だった…」

「女!?マジかよ…顔は?」

「…俺は見てない」

「そっか…」



…詰めが甘ぇな。

俺だったら、二度とそんなことしねぇように首根っこひっ捕まえて、「あんたとのハメ撮り動画をタップリ保存しといてやろうか?あーん?」って脅すのに(笑)

そうでもして弱味握らねぇと、今はネットで広がるからな…。
例え証拠がなくても嘘でも、噂が広がれば真実に塗り替えられてしまう。



「…まあ、でもスキャンダルを逆手に取ればいいんじゃねぇの?REAL AND GLAYの名が知られりゃ儲けもんじゃね?」

「俺は嫌だな、そんなことで有名になりたくない。ちゃんと音楽で勝負したい」

「…まぁ、できりゃそれが一番だけどよ…」

「ゲイだとレッテル貼られて見せ物になるなんてまっぴらだ。それに…」

「それに…?」



拓哉は一呼吸置く。



「……卓也には知られたくない」

「…」



…それが一番の理由か。



俺はハァッとため息をついた。




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