
359°
第7章 芽生えた感情と嫉妬
「う、ぐっ…」
もう、ダメだっ…
吐くっ…
オレはすぐさま車から降りて、路肩に生えている草木のそばで嘔吐した。
…最悪だ…
こんな失態…
「…大丈夫?」
そっと背中に誰かの手が触れる。
…高藤さんだ。
「スッキリするまで吐くといいよ」
近付きたくないはずなのに高藤さんはそう言って、オレの背中をさすってくれる。
「すみません…」
オレはもう一度吐くと、なんとか気持ち悪さは治まった。
「これで口元拭いて」
スッとハンカチを出される。
「やっ、汚れちゃいますよ…」
「気にしなくていいから」
「すみません…」
遠慮しながらも、オレはハンカチを受け取った。
フワッと高藤さんの香りがする。
…なんか、この匂い落ち着く…
…って、オレは変態か!!///
「車に乗っても大丈夫?この辺りなら俺のマンションが近いけど、少し休んでいく?」
「え…」
高藤さん、この辺りに住んでるんだ…。
オレは近くの高層マンションを見上げた。
