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第7章 芽生えた感情と嫉妬



「う、ぐっ…」



もう、ダメだっ…

吐くっ…




オレはすぐさま車から降りて、路肩に生えている草木のそばで嘔吐した。



…最悪だ…
こんな失態…




「…大丈夫?」



そっと背中に誰かの手が触れる。
…高藤さんだ。



「スッキリするまで吐くといいよ」



近付きたくないはずなのに高藤さんはそう言って、オレの背中をさすってくれる。



「すみません…」



オレはもう一度吐くと、なんとか気持ち悪さは治まった。



「これで口元拭いて」



スッとハンカチを出される。



「やっ、汚れちゃいますよ…」

「気にしなくていいから」

「すみません…」



遠慮しながらも、オレはハンカチを受け取った。
フワッと高藤さんの香りがする。



…なんか、この匂い落ち着く…



…って、オレは変態か!!///




「車に乗っても大丈夫?この辺りなら俺のマンションが近いけど、少し休んでいく?」

「え…」



高藤さん、この辺りに住んでるんだ…。
オレは近くの高層マンションを見上げた。




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