
359°
第7章 芽生えた感情と嫉妬
中に入ると、また高藤さんの匂いがした。
「お邪魔します…」
ドキドキしながら靴を脱ぐ。
「少し散らかってるけど、気にしないで」
高藤さんが扉を開けると、オレの目に真っ先に飛び込んできたのは、壁に掛けられたいくつものギターやベースだった。
「すげ…」
まるで楽器屋さんみたいだ。
窓際には、机の上にパソコンとキーボードが置いてあり、その周りにはアンプやら色んな機材が置いてある。
棚にはCDや本がびっしり。
全体的に音楽関係の物しか置いてないから、シンプルな部屋になっている。
