
359°
第7章 芽生えた感情と嫉妬
高藤さんは壁に掛けられたレスポールを取ると、オレに手渡してくれた。
ずし、と手に重さがかかる。
「けっこう重い…」
6本の弦をマジマジと見る。
「あ、弦ってみんな同じ太さじゃないんだ」
「うん、太いのが低音、細いのが高音なんだよ」
「へぇ…」
「まずは各パーツの説明をしようか」
そう言って高藤さんは、丁寧にわかりやすくパーツの名前と説明をしてくれた。
「覚えることいっぱいだ…サッパリわかんねぇ」
「はは、いっぺんには覚えられないよ。ギターに触れていけば、そのうちわかってくるから」
