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第8章 過去と現在

《蒼士side》



「蒼士、帰ったのか」



玄関のドアを開けると、奥から父親の声がした。



「…ただいま」



僕は一言だけそう言うと、すぐに階段に足をかける。



「蒼士」



だけど父親に、呼び止められた。



「蒼士…ギターをやるなとは言わないが、勉強も怠るなよ」

「…ええ、わかってます」



僕は振り返らず答える。
後ろで微かにため息が聞こえた。
僕は無視をして階段を上る。
自分の部屋の前までくると、隣の部屋のドアが開いた。





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